そもそもは、10ヵ月前のこと

今回の中国文化センターの茶藝イベントですが、コトを起こしたのは、3月も終わりのこと。

電子版で『妄想茶館へようこそ~シネマで中国茶』なんてマニアックな本を出版して、中国茶を飲んだことがないという人でも楽しめる茶藝イベントを企画したいと、さらに妄想を膨らましておりまして。

中国文化センターといえば、中国の各省が準備万端を整えて、文化の発信をする場所ですから、採用される確率なんてゼロに等しい。それでも、担当者の方が興味を持ってくださったり、中国茶インストラクター協会が後援団体になってくださったり。

奇蹟が連続して起こり、なんと実現できてしまった! 

それでも、「なぜ、人形浄瑠璃?」「人形芝居の横で、茶藝をするの?」とは、多くの人にいわれました。人形浄瑠璃をテーマにした茶藝は、茶衆・聚の山本由美子さんの代表作。かつて見た彼女の茶藝『来世縁~曾根崎心中』が忘れられなかったわけです。

『曾根崎心中』なら、山本さんのフェミニンな雰囲気にあって、情感豊かな茶藝になりますが、今回は『国性爺合戦』。今年が『寅年』、舞台が『中国』という2点が推し!という難題も、さすがトップの茶藝技師!見事に仕上げてくれました。

荒ぶる虎を茶経で鎮める虎狩りの見せ場

山本さんの茶藝、映像のプロの小松洋子さんの背景ビジョン、黒衣を演じてくれた川手淳平さんはプロの俳優さん。見事なコラボレーションで、私の妄想は脳内イメージから、現実のものとなりました。

本番まではリハーサルを繰り返して、茶人と黒衣の息もピッタリ! 

紅流しの冒頭のシーンで、道具の受け渡し

終わってしまえばあっという間の茶藝イベントでした。これから当日の様子などを、さまざまにレポートします。